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九大研究成果:細胞内構造の配置対称性が決まる仕組みを解明

2020-07-14 来源:九州大学
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   京都大学白眉センター宮﨑牧人特定准教授は、九州大学大学院理学研究院前多裕介准教授、坂本遼太同博士課程学生、シンガポール国立大学メカノバイオロジー研究所平岩徹也グループリーダー、早稲田大学石渡信一名誉教授、田邉優敏同大大学院先進理工学研究科修士課程学生(研究当時)、鈴木和也同助手(研究当時、現:浜松ホトニクス株式会社中央研究所)と共に、生きた細胞を模した人工細胞を構築し、細胞内の対称性を決める仕組みを解明しました。

   生命の基本単位である細胞も、対称性という概念抜きには語れません。細胞における対称性の研究の原点は19世紀にさかのぼります。受精したばかりの卵細胞では細胞核が中心に向かって運ばれ、極めて正確に核を配置することが知られています。一方で、細胞は自ら対称性を破る仕組みをもつことが20世紀初頭から現在にかけて明らかにされてきました。私たちの命は一つの細胞から始まり、細胞分裂を繰り返すことで身体が出来上がります。この過程では、等しい娘細胞に二分割する対称分裂を繰り返しつつも、時折非対称に分裂することで、頭と足、背と腹などの体軸が決まります。また、創傷治癒や形態形成に関わる細胞運動では、形の対称性を破ることで運動の方向が決まります。このように、対称性は生命の運命を決定する重要な概念であり、生命は細胞の対称性とその破れを上手く使い分けています。しかし、細胞生物学の長い歴史において、このような対称性が細胞内でどのように制御されているのか、その基本原則は未解明でした。

   本研究グループは、細胞内で力発生を担うアクトミオシンと、細胞核を模した構造物(クラスター)を液滴カプセルに封入した人工細胞を構築し、対称性が自律的に決まるメカニズムを探求しました。そして、大きい人工細胞ではクラスターが中央に配置され、小さい人工細胞ではクラスターが縁に寄る「配置対称性の破れ現象」を発見しました。アクトミオシンの収縮現象の解析から、対称性を維持しようとする力と対称性を破ろうとする力が共在しており、綱引きのようなバランスによって対称性が決まることを解明しました。この綱引きによる配置決め機構は、動物細胞に共通した性質である「アクトミオシンが閉じ込められた微小空間」に対して普遍的に成り立つメカニズムであるため、動物細胞全般における細胞内構造の配置決めに新しい理解を与えるものと期待されます。

   本研究では、人工細胞内で確率的に形成されるアクトミオシン・ブリッジの存在を見出しました。このような構造の形成は、パーコレーション理論と呼ばれる、ネットワークの連結性を記述する理論で一般的に理解されます。これまで、細胞よりずっと大きな系では、アクトミオシン・ネットワークで現れるパーコレーション現象の存在が広く知られており、物理的な解析も進められていました。本研究の結果は、細胞サイズの微小な系でもパーコレーション現象が存在し、さらに細胞機能にも関わっていることを示唆しており、生命現象の中に潜む普遍的物理現象の探求にも新しい道筋を示すものです。また、細胞内構造の対称性の破れが関わる生命現象として、細胞運動が挙げられます。細胞運動は、発生過程から創傷治癒に至るまで多くの生命現象を支えるために重要です。細胞が動くときの重要な特徴は、細胞核の配置の対称性が破れているという点です。本研究では、対称性の破れた人工細胞が自発的に運動する現象も発見しました。今後は人工細胞の利点を活かして、細胞が動く仕組みの探求へと研究を展開していく予定です。

   本研究成果は、2020年6月15日に国際学術誌「Nature Communications」にオンライン掲載されます。
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[责任编辑:何苇] 标签: nbsp NatureCommunications 程学生 解明し 白眉セ
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