朱萱萱

南京中医藥大学教授、博士課程指導教師
江蘇省中医院基礎藥理室主任
江蘇省薬品食品監督管理局新薬審査評価委員

1、帰国してから既に十何年も過ぎましたが、記憶中の九大はいかがでしょうか。その何年間の留学生活はどう思われますか。

　九大薬学府での留学生活は今になってもはっきり覚えています。九大でその時進んだ漢方薬に関する知識を学ぶことができ、それは今の仕事にも研究にも大変役に立っています。留学を通し、研究に真面目でなければならない、仕事に対しさらに磨きをかけなければならないという良い習慣を身につけました。とにかく、九大での留学生活は美しい思い出ばかりでした。

　九大のキャンパスについては、古くて素朴な感じでした。現在新しいキャンパスはとてもきれいだと聞きましたが、今後、機会があれば是非見に行ってみたいと思っています。

2、朱先生は毎年数名の学生を指導していますが、その中に日本へ留学に行きたい学生がいますか。学生さんに九大医学府に留学することを薦めますか。

　中国の優秀な学生が九大へ留学することを心から願っています。現在九大北京事務所とも連絡をとっていますので、今後九大へ留学に行く学生さんがもっと多くなるだろうと思います。学生交流だけでなく、学術等多方面でも九大と連絡を保ち、深く交流することを願っています。

3、現在、職場の人は仕事が忙しくて、運動不足、また悪い生活習慣のため、体にいろんな問題が出てきたことをよく聞きましたが。朱先生はそれに対し何かいいアドバイスをお願いできませんか。先生は普通、どうやって体を鍛えるのでしょうか。

　現在の若者はストレスなどのため体の具合が悪くなり、しいては急死という深刻な結果になったということは多くなりました。これは重視しなければならない社会問題になったと思います。確かに現在の若者は多方面からのストレスを受けていますが、ストレス解消できる方法、脳を休息させる方法を身につけることは大切だと思っています。そのほか、健康で丈夫な体があればこそ、良い生活できますので、普通から体を鍛えてくださいね。私自身としては、体はよくありませんので、いつも散歩、瑜伽、歌い等をします。また、美容院でSPAをしてもらうこともします。　　　　

4、朱先生は研究領域では素晴らしい業績を上げておられます。学術論文を百篇も発表され、しかも江蘇省藥理学会秘書長としても素晴らしい成果を取りましたが、では、現在科学研究をどうすればよいかということに悩んでいる若者に何かアドバイスをお願いできませんか。

　 自分の研究分野でほんの少しの成果を取りましたが、実に大したことではないことで、多くの人には及ばないと思います。しかし、今の仕事が大好きで、自分の力限りで努力して、国とほかの人にほんの少しでも貢献すればいいと思います。江蘇省藥理学会秘書長として栄誉を受けましたが、自分ひとりの努力の結果ではなく、チームのみなさんの努力の結果だ、みなさんの栄誉だと思います。これからも藥研究と藥開発の領域で貢献しようと思っています。

5、近頃、甘粛省の医療関係者41人が真気の運行により「任督二脈」が完全に通ったと甘粛省衛生庁が報道し、議論の的となりましたが、それについて、朱先生はどう思われますか。

　そのニュースを近頃聞きました。伝統医学から見れば、「任督二脈」が完全に通ったら、気血がもっと通れ、人はもっと気持ちよくなるとのことですが、「任督二脈」が通ったら、病気も治るとの宣伝は正しくないと思います。病気になる原因は多種多様で、「任督二脈」が通っただけで病気は治ることはできないと思います。

6、朱先生は何かの趣味がありますか。座右銘又は一番好きな言葉は何でしょうか。

　趣味が多くあります。例えば、音楽を聞くこと、歌うこと、またピンポン、散歩、水泳、旅行などをすることが大好きです。座右銘ときたら、人間としては謙虚な心、寛大な心、また包容力を持つべきだと思います。