東日本大震災とそれに伴い発生した福島第一原発事故の影響を受けた2011年、日本へ向かう中国人観光客の数は10年に比べ落ち込んだものの、日本ツアー旅行市場は現在、急速に回復しています。自由旅行もマーケットシェアの20%以上を占めるまでに成長し、中国の日本観光市場の発展を促進する重要な原動力となっています。業界関係者は、自由旅行は引き続き急速に発展し、近い将来ツアー旅行を上回る市場になると予測しています。
日本政府が昨年7月、中国人向けの査証(ビサ)の発給に関する政策を緩和し、複数回日本を訪れる際、最初の旅行で沖縄を訪問することを条件に、3年の有効期間内なら何度でも使用できる数次査証の発給を始めたことなどを背景に、日本へ向かう自由旅行は急速に成長しています。
自由旅行を利用する観光客の主戦力はツアー客と違い、主に上海や北京など大都市に住む、70-80年代生まれの若いホワイトカラーです。週末を挟んで4日間、観光だけでなく、ショッピングを目的に東京や大阪などに向かうというのが、自由旅行の主流です。その他、北海道や沖縄、九州などを目的地としたルートも人気が高まっています。
業界関係者は、日本政府のビサ発給に関する政策緩和のほか、日中の観光業界が市場開発に大きく力を注いでいることが、日本観光の回復、特に自由旅行市場の急速な成長に拍車をかけていると分析しています。