SOFCに用いる電解質材料は、結晶粒内と粒界を含んだ全プロトン伝導度が0.01 Scm⁻¹を超え、かつ燃料電池動作環境に含まれる水素、酸素、二酸化炭素、水蒸気に対して安定でなければなりませんが、このような材料はこれまで見出されていませんでした。
本研究グループは、ジルコン酸バリウム(BaZrO₃)にスカンジウムを60%という極めて高い濃度で添加することで、燃料電池動作の目標温度である400℃において結晶粒内と粒界を含んだ全プロトン伝導度が0.01 Scm⁻¹を超えることを初めて見出しました(図)。さらに、その高いプロトン伝導性は400℃において200時間維持され、400℃、98%という高濃度の二酸化炭素雰囲気下においても240時間以上安定であることが実証されました。
本電解質を用いた固体酸化物型燃料電池では、中温動作により高価な白金や耐熱材料が不必要となるため、燃料電池の大幅コストダウンが期待されます。
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