上海交通大学とエジンバラ大学が「One Health研究センター」を共同設立

　5月8日午後16点(北京時間)に、上海交通大学とエジンバラ大学が連携協議を締結し、「One Health研究センター」を共同で設立しました。上海市、海南省、イギリスエジンバラ市政府、及び世界保健機関（WHO）、国際連合食糧農業機関（FAO）、国際獣疫事務局（OIE）等が式典に出席しました。それと同時に、上海交通大学、エジンバラ大学、One Health研究センター及び海南博鳌楽城国際医療観光先行区管理局が覚書を締結し、「世界をともに楽しみ、One Healthを共同で構築」という理念を提唱しました。　

　21世纪に入ってから、グローバル化の加速、人口流動の増加、国際貿易の発展等の影響で環境が急変しているとともに、突発性感染症、食源性疾病等を含む公衆衛生事件が頻繁に発生し、健康問題を複雑化させられています。これらの問題を解決するため、One Healthの概念が提起され、たくさんの国際組織及び国に実践及び応用されてきました。

    One Healthは人間、動物と環境の関係性に注目し、「人間ー動物ー環境」の全体の角度から複雑な健康問題を解決することを重視します。多機構、学際的、多地域の協同により、人間、動物と環境の総合情報を収集し、感染症防止総合ネットワークを構築することにより、新しく出た感染症へのタイムリーな警報と有効な防止を実現し、公衆衛生管理体系の効率化を図ります。

   他国と比べ、我が国のOne Healthはまだ初期段階にあり、One Healthを実現し、その効果を発揮するためには、政府と社会からの重視が必要とされ、研究と実践に力を入れなければなりません。2019年6月10日に行われた博鰲アジアフォーラム・グローバル健康フォーラムの間に、中国の専門家はWHO、FAO、OIE等の責任者とOne Healthの研究について検討し、その後、上海交通大学及びエジンバラ大学が検討を繰り返した結果、One Health研究センターを共同で設立することにしました。

   上海交通大学は総合ランキングが全国上位にある医学部、農学部、環境科学及び工学部、生命科学技術学部など、One Health関連の全ての学科に関わる多数の学部が揃っています。エジンバラ大学がイギリスのトップ大学として、初めて医学部と獣医学部を連結した大学で、One Healthの研究を10年以上を行った経験があり、世界に先立ってOne Healthの修士と博士プログラムを設置しました。

  「One Health研究センター」が中国側とイギリス側の責任者により共同に管理される予定です。中国側は上海交通大学医学部、WHO熱帯病連携センター主任、国家熱帯病研究センター主任である周晓農教授が担当することとなり、イギリス側はエジンバラ大学農業及び食品安全学部長、農業及び食品安全国際研究院主任、エジンバラ大学助理学長であるジェフ・サイモン教授が担当することとなりました。

  「One Health研究センター」は2020年に中国でOne Health共同養成修士プログラムを開始し、且つOne Health研究と実践基地を建設し、国と国際組織にOne Health技術と政策コンサルティングを提供するための世界トップクラスのプラットフォームになることを目標とし、中国海南島と崇明岛でOne Health実践と研修基地を建てる予定で、One Health関連の産学連携を促進し、One Health体系を中国で実施できるよう、取り組んでいきます。