最近ある2つの機関が共同で、江蘇省南京、北京、上海などの都市の新就職者関連のビッグデータを解析し、「2018年新就職者の仕事と生活の現状調査報告」を発表しました。同報告は、新興職業に就いた新就職者の収入状況や好んでいる仕事などに関する情報を描き出しています。統計によると、月収が最も多いのは獣医です。また、育児師になった新就職者のうち3割が男性でした。
新興職業に就く新就職者が増加
ここ数年、都市に住む人々の消費・需要が多元化し、プロフェッショナルなサービスのニーズも高まっているのを背景に、新興職業に就いた新就職者が増えています。例えば、獣医、スポーツジムのトレーナー、バーテンダー、月嫂（出産後の母子の世話をする専門の家政婦）などの新興職業に就く人が増加の一途をたどっています。
調査によると、南京ではペット系のサービス業者が増加しているのを背景に、獣医などの専門職に就く人が増加の一途をたどっています。
新就職者の収入は中・低水準と考えている人も多いだろうが、中国では、多くの労働者が製造業から生活サービス業に移っているほか、消費が高度化し、消費者の需要が日に日に個性化、多様化しているのを背景に、新就職者の月給も上昇しています。統計によると、5000元（1元は約16.36円）が一つの大きな目安となっており、月給が5000元以上の新就職者が52.84％と、過半数を占めました。また、8000元以上も34.56％を占め、すでに多くのホワイトカラーの月収を超えています。
獣医、スポーツジムのトレーナー、バーテンダーが最も人気
調査によると、南京の新就職者のうち、月収が最も多い三大職業は、獣医、スポーツジムのトレーナー、バーテンダーでした。うち、トップの獣医の28.57％の月収が2万元以上でした。
中国でも高齢化が急速に進み、一人暮らしの高齢化が増え、若者も自立して生活するようになっているのを背景に、癒しを求めてペットを飼う人が増加しています。ペット業界が急速に成長していることは、消費の高度化という流れともマッチしています。消費者は一層質の高い生活を追求し、ペットにお金をかけることもいとわなくなっています。しかし、中国では毎年、動物医学を専攻していた本科卒業生のうち、動物の診療関連の仕事に就く人は10％未満にとどまっているため、獣医の数はまだまだ不足しています。報告によると、新就職者の7割が、自分が好きな仕事を選んでいます。業界の将来に関するデータを見ると、新興職業に就いている人は、決意と自信を見せています。調査によると、自分の業界と職業に自信を持っているため、新就職者は将来のはっきりとしたキャリアプランも描いています。
育児師の3分の1が男性
多くの若者が、自分の好みに基づいて仕事を選ぶようになっています。そして、他の人に何を言われても気にせずに、自分のやりたい仕事をするという職業観は、上の世代の多くの人とは大きく異なっています。報告によると、獣医、オーダーメイドホームの設計師、カーケアスタッフなどの新興職業は、体力が必要だったり、労働時間が長かったりときつい仕事であるものの、それを選ぶ女性が急増しています。統計によると、男性の仕事というイメージが強いカーケアスタッフのうち、女性は23.08％を占め、きつい仕事の獣医のうち、女性は42.86％を占めています。
その一方で、女性の仕事というイメージが強い職業を選ぶ男性も増えています。 統計によると、育児師、早期教育師、エステシャン、メイクアップアーティストなどを選ぶ男性が増えています。うち、育児師に占める男性の割合は33.33％と、最も意外な結果となっています。ある専門家は、「育児師の仕事はとてもきついので、実際には体力という面では男性のほうが有利。産後うつになる人が増えているのを背景に、明るく、度量があり、寛容な男性の育児師なら、男性という角度からアドバイスをして、うつ状態の女性の気分をほぐしてあげることができる。その他、男性の育児師の場合、その男らしさが赤ちゃんにも影響し、強くて、自立した人へと成長できるよう助ける」との見方を示します。
