世界最大級のビジネス特化型SNS・LinkedInは14日、北京で「2018グローバル化人材戦略フォーラム」を開催し、中国の留学帰国者に関する報告を発表しました。同報告によると、留学帰国者にとって、新一線都市の魅力が増えており、金融、テクノロジーなどが留学帰国者に人気の分野となっています。
報告によると、2011-17年、留学帰国者の数は年々増加しました。留学帰国者の年齢層を見ると、20-29歳の若者が依然として一番多いものの、この世代が占める割合は13年の79.7%から17年には52.2%にまで下降しました。
また、30-40歳の留学帰国者の割合は13年の16.5%から、17年には30.6%に急上昇しました。特に15年以降、30-40歳の経験豊富な人材が帰国する割合が目に見えて上昇しています。この世代の人材は海外で長年仕事をして、経験も豊富なため、帰国後も企業で管理職に就くなど、柱のような存在となっています。
帰国に関心を持つ華人に最も人気の中国の都市は上海、北京、深セン、広州の四大一線都市です。沿海新一線都市の杭州、南京、蘇州がその後に続きます。中・西部地域を見ると、成都が近年急速に発展しており、一部の沿海都市を上回っています。
すでに帰国した留学帰国者が選んでいる都市を見ると、上海と北京が占める割合が明らかに年々下がっているのに対して、杭州や成都を代表とする新一線都市の人気が右肩上がりになっているのは注目に値します。
報告は、「これは、中国の都市の発展のバランスは少しずつ良くなり、就職のチャンスや生活水準の差がますます縮まっていることを示しています。そして、そのことが、海外の華人の帰国を加速させる要因にもなっている」と分析できます。
留学帰国者が帰国後に働いている業界を見ると、一番多いのが金融で、次がハイテクとなっています。報告によると、ハイテク業界は年を追うごとに、もともと2位につけていた製造業に取って代わる存在となっており、二者の差は現段階ではそれほど大きくないものの、テクノロジー企業が海外からの人材呼び込みを強化しているというニュースが多く、その分野もクラウドコンピューティング、人工知能、ブロックチェーンなどのハイテクの分野に集中していることを考えると、その差は今後拡大すると見られています。
その他、留学帰国者の教育背景を見ると、11-17年、経営学を専門に学んだ人材の数はほとんど変化がないのに対して、コンピューターサイエンスを専門に学んだ人の数が2倍以上に増えています。これは、中国のハイテク・インターネット業界が、コンピューター技術を専門に学んだ人材の呼び込みを一層強化していることを側面的に示していると分析されています。