あるメディアの報道によると、中国は現在、第三の留学生「帰国ブーム」を迎えています。専門家は、今後5年の間に、中国では留学する人の数が帰国者の数を上回るという状態がターニングポイントを迎え、中国は「人材流出国」から主要な「人材吸収国」となり、世界における人材争奪戦において、徐々に優勢になると予想しています。
中国教育部（省）が今年1月に発表した「中国の留学生の帰国・就職青書2016」の統計によると、16年、中国では12年比36.2％増の54万5千人が海外に留学したのに対して、留学して帰国した人の数は同比58.6％増の43万3千人に達しました。中国は世界でも最も多い数の留学生を世界に輩出しているものの、出国者より帰国者のほうが多い状態は徐々に改善し、留学者の8割以上が卒業後帰国してキャリアを積むことを選んでいます。それらの帰国者は、テクノロジー、教育、経済、文化などの分野のリーディング人材、イノベーション型国家を構築するための主力となっています。
中国経済の安定した発展や国力の向上などが、留学生を帰国したいと思わせる主な原因と分析されています。スイスの国際経営開発研究所（IMD）が最近発表した2017年版「世界競争力ランキング」では、中国が順位を7つ上げました。また、調査対象となった主要63ヶ国・地域の中で、「就職」の分野でトップでした。中国の磁石のように人材を引き付ける、人材吸引力は向上を続けています。
近年、中国政府は、外国人のハイレベル人材を誘致することを目的とした「千人計画」や「万人計画」などを展開し、留学帰国者の起業をサポートする起業パークを300ヶ所以上設置しています。留学帰国者に就職の機会や優待政策を提供し、留学者が帰国を選択するきっかけとなっています。スペイン紙「エル・パイス」が以前に掲載した「中国の人材の逆流」という記事は、「千人計画」について、08年から始まった、国家重点イノベーションプロジェクトで、学科、実験室、中央企業、国有商業金融機構、ハイテク産業開発区をメインとする各種パークなどで、海外のハイレベル人材が帰国してイノベーション、起業するよう促す計画と紹介しました。同計画により、現時点で、13陣約7千人のハイレベル人材を誘致し、1949年の建国以来最大規模の海外人材の帰国ブームとなり、世界的影響力を持つ国家人材誘致計画となっています。
