日本の最高学術審議機関である日本学術会議は、学士の分類・名称の理想的な状態に関する報告書を発表しました。同報告書によると、日本の学士の名称は2010年の時点で700種に達しました。
米英などの教育強国でも、学士の名称は50種未満であり、日本の700種という規模は世界でも稀です。これらの名称の中には、堂々たる「グローバル地域文化学」の他に、細やかな「職業設計学」などがありあます。さらに「地球市民学」といった意味不明な名称も存在します。
膨大な名称の数は、日本の大学教育の多元化と個性化を反映していますが、輝かしい名称には多くの不便な点があります。学生と保護者は大学と専攻科目を選択する際に、複雑かつ専門的な名称の意味を理解し難いです。人材募集中の企業も、さまざまな名称を前にし為す術を失います。さらに教育のグローバル化を背景とし、個性的な名称は世界基準に合わず、日本の学士の海外進出が障壁にぶつかっています。
日本は少子化が深刻で、学生数が減少を続けています。大学は学生の争奪戦に乗り出しており、奇抜な名称が誕生しました。これらの大学のウェブサイトは往々にして、「日本初」、「世界一」などの旗印を掲げ、その学位の個性を示そうとします。この個性的な名称は、学生獲得の手段でしかないのですが。
